私は、一喜一憂しやすくてすぐ落ち込んでしまいがちです。
なんとかしたいなと思い、自分の心を落ち着けるための工夫をいくつか持つようになりました。
そのひとつに、人間万事塞翁が馬(じんかんばんじ さいおうがうま)の心構えでいく、というものがあります。
これにより、いい悪いを今すぐ決めず冷静でいれたり、長い視点で物事を捉えたりできることが増えました。
自分の気持ちを支えてくれている言葉だなと感じています。
今では私の座右の銘になっています。
「人間万事塞翁が馬」のお話
人間万事塞翁が馬は、中国の古い思想書に書かれた漢文の寓話が由来です。
昔、塞(とりで)付近に住むおじいさんがいました。
ある日おじいさんの飼っていた馬が逃げ出してしまいました。
周りの人は「気の毒に……」と慰めましたが、おじいさんは「いえ、きっと幸いがやってくるのでしょう」と言います。
しばらくすると、その馬がもっといい馬と一緒になって帰ってきました。
周りの人は「よかったですね!」と声をかけますが、おじいさんは「いえ、きっと何か不幸なことが起こるでしょう」と言います。
しばらくすると、おじいさんの息子が落馬して足に大けがをしてしまいます。
周りの人は「不幸でしたね‥‥・」と声をかけますが、おじいさんは「これはきっといいことの前触れでしょう」と言います。
しばらくすると、戦争がはじまり、町の若い人たちが次々に戦争へと赴くことになりました。
ですが、おじいさんの息子は足にけがをしていたため、戦争に行かず生き延びることができたのです。
人間万事塞翁が馬の意味とは?
上記の話からこんな意味になっています。
長い人生では楽しい事や嬉しい事もあれば、辛い事や悲しい事もあるけれども、何が幸福で何が不幸かは直ぐに決まるものではない。
つまり
すぐに決めつける必要はない。
一喜一憂することなく人生に対処する。
その出来事から一歩離れて俯瞰する。
こんな姿勢が大事だよと教えてくれることわざになっています。
この言葉を意識するようになってから、すぐに決めつけずに長い視点で見るとどうだろう?と少しずつ思えるようになってきました。
山中伸弥教授も、塞翁が馬を意識していた。
人間万事塞翁が馬は有名な言葉なので多くの人が意識して使っているようです。
ノーベル生理学・医学賞を受賞しているiPS細胞研究所所長の山中伸弥教授もその一人でした。
山中教授が近畿大学で行ったスピーチの動画がありました。
塞翁が馬をテーマに卒業生に向けてスピーチしていました。
山中教授のこれまでの人生いくつもの困難があり、塞翁が馬的に乗り越えてきたことが伝わってきます。
大学卒業という節目に山中教授からこの話を聞けるなんて、近畿大学の学生さんがうらやましいです。
心を落ち着ける言葉として、胸にとめておこう。
社会で生きていくといろんな出来事に遭遇します。
辛いこと、悲しいこと、年を重ねる度に増えていってるような気もします。
ですが、塞翁が馬の考えを身につけて必要以上に心が揺れるのを防ぎたい。
そんな思いです。
「人間万事塞翁が馬」
何かあったらこの言葉を胸に、心を落ち着けてがんばっていこうと思います。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。